日本語の「思いやり」は実に面倒くさい
日本語教育【話す】ゆっくり書く時間がないのが残念だが、日本語能力試験N1対策クラスで、非常に面白い内容が書かれている文章に出会った。(以下、本書第5課の「思いやり」からポイントを抜粋)
「思いやり」という言葉の意味は、「相手の立場に立って、相手の気持ちや心情を推しはかり、気を配ること」
これを英語に訳そうとすると、「to be considerate of」とか「to be thoughtful」となるが、英語表現では「人のため」という視点が訳しきれない
(日本社会)「相手の気持ちになって考える」こと
⇒ つまり「感情の移入」が重視される
(英米社会)「普遍的で善悪の基準に適合した行動をとること」
⇒ つまり「原則原理」が重視される
ここから、日本が「文脈に頼る」言語の文化であるのに対して、英米は「文脈に頼らない」言語の文化という話になり、前者については「何回か来日しているフランス人のビジネスマン」、後者は「旅行添乗員をしていた私(著者)の妹」のエピソードで説明している。
機内で「便箋ある?」と客室乗務員に頼むと、
(日本の航空会社の場合)⇒「便箋」といえば、必ず封筒も一緒に持ってきてくれる
(他の国の航空会社では)→ 便箋しか持ってこない
アメリカの航空会社の飛行機に乗ったら、本を読むためのランプが故障していて点灯しなかった→客室乗務員を呼んで「このランプ、壊れているんですけど」と英語で伝えたら
⇒「あ、そう」とすげない返事で去って行ってしまった
最近では、早い時期から(過去記事:わからないんですが… のあたり)、自分自身の実体験に基づくエピソードと一緒に、「日本語、日本人のコミュニケーションって、面倒なんだよ」ということを、きちんと学生に話して聞かせることにしている。
さて、そのエピソードについては、今度また時間のある時に...
